元東大生が放送大学始めました

東京大学理科二類に合格したものの、大学生活になじめず、休学したのち中退しました。

その後紆余曲折あり、放送大学で学ぶことになりました。

このブログでは、放送大学での学習の様子をはじめ、学ぶことの楽しさなどを紹介していければと思っています。

最初の記事となる今回は、私がなぜ放送大学で学ぼうと思ったかをお伝えしたいと思います。

放送大学を選んだ理由

その1: 自由度が高い

一番の理由は、なんといっても学習スケジュールの自由度が高いことです。

4年という期間に縛られることなく、自分のペースで好きなだけ受講することができます。

半年に1単位でも構わないわけです。

さらに、放送授業はすべてネットで視聴することができるので、キャンパスへ行く必要はなく、もっと言うと毎週テレビやラジオを見る必要すらありません。

家でも図書館でも、PC/スマホとネット環境さえあれば、自分の好きな時に好きな場所で好きなだけ授業を受けることができるわけです。

好きな時に好きなだけ学べる。

なんと素晴らしい響きでしょう(笑)。

その2: 入学試験がない

書類さえ送れば、誰でも必ず入学できます。

センター数学の苦い思い出や、東大入試の2日目に精魂尽き果てて意識が遠のいた経験のある私としては、入試がないのはとてもありがたいです。

その3: 学費が安い

一般の大学に比べて、学費をかなり安く抑えられることも利点です。

入学料(24,000円)込みで卒業までにおよそ70万円程度です。

しかも、授業料は取った授業に対してのみ支払うので、卒業まで何年かかっても約70万円で済みます。

一応、10年経ったら再入学しなければいけないので、その際に入学料24,000円が新たにかかりますが、過去に取得した単位はちゃんと持ち越されるそうなので、たとえ卒業まで20年かかったとしても合計73万円といったところでしょうか。

もちろん、今後値上がりすることもあると思いますが、とにかくお得なのは間違いありません。

その4: 授業の質が高い

この点は、入学してから感じた放送大学の良さです。

放送大学は「国が設置した私立大学」ということができ、国立大学のような私立大学です。

ただ、全国各地にある学習センター(キャンパス)の多くが国立大学の敷地内に置かれていることからも、国立の"雰囲気"が感じられます。

講師陣には東大出身の教授も多く、授業の質は十分に高いと思います。

授業の難易度は易しめかなと思いますが、特にテレビ形式の放送授業などはしっかり作りこまれていて、飽きずに見ることができます。

興味のある科目なら「次が見たい!」と、どんどん見てしまうほどです。

しかも、取っていない科目も含めてすべての放送授業がネットで視聴できるので、単位はいらないけど勉強だけしたいという方には、もはやパラダイスです(笑)。

その5: 学習センターが自由に使える

放送大学では各都道府県に設置されたキャンパスを「学習センター」と呼び、主に学生証の発行や単位認定試験(定期試験)の際に利用します。

しかし、学生であればどの学習センターでも自由に使うことができ、とても便利です。

少し時間が空いたときなど、冷暖房の効いた図書室や自習室で勉強できるというのが、思いのほか嬉しいものです。

まだ訪れたことがないのですが、放送大学本部の千葉学習センターには大きな図書館があるそうで、いずれ行ってみたいと思っています。

以上、放送大学のメリットを挙げてみました。

この半年間学んでみて、放送大学を始めて本当に良かったと感じています。

 

心理演習・心理実習を受講しました

放送大学の「心理演習」「心理実習」を2022年4月から受講しています。

1年がかりで学ぶ科目であるためまだ履修中ですが、今回は授業の様子や全体の大まかなスケジュールなどをお伝えできればと思います。

高倍率となった選考試験についてはこちらの記事もご覧ください。

「心理演習」「心理実習」とは

「心理演習」と「心理実習」は、いずれも公認心理師になるために必要な科目です。大学院に進む前に学部段階で履修する必要があります。心理演習は、ロールプレイや事例検討などを通じて心理職のあり方について学ぶ科目で、全ての授業が講義室で行われます。一方の心理実習では講義室を飛び出し、医療、司法、福祉などの各領域の施設を見学しに行くことになります。放送大学ではこれら2科目がセットで開講されています。

心理演習の様子

心理演習では、通常の講義の形に加えて様々なアクティビティを体験します。将来、大学院で学ぶにあたっての前準備という意味合いが強いようにも感じましたが、もちろんその先の未来で心理専門職として活動していく上での準備、という面があります。多くのエネルギーを必要とするものではありましたが、その分、とても価値のある講義でした。

心理実習の様子

心理実習は、心理専門職が活躍する各領域の施設を見学させてもらう形の授業です。ごく短い時間の見学ではありますが、それでも現場の雰囲気を肌で感じられることは極めて貴重な経験です。想像と違っていた部分も多く、まさしく百聞は一見にしかずといったところでしょう。こちらも大いに価値のある内容でした。

共通していること

いずれも、授業後や実習後にレポートを書く必要があります。手書きでの提出を求められるため、とても苦労しました。特に、3日間連続して講義がある日程では、夜、授業を終えてから寝るまでに仕上げなければならず、時間的になかなか厳しいものがありました。

とはいえ、その大変さが気にならないほどに興味深く、楽しく、そして充実感のある体験でした。来年の1月までまだまだ続くことに嬉しさを覚えるほどです。

受講生について

男女比はほぼ半々で、20代から50代まで幅広い年代の方が集まっていました。皆さんとても優秀かつ勉強熱心で、さりげない会話が弾むような親しみやすい方々でした。休み時間はもちろん、授業の中でアクティビティを通じて交流する機会もあり、これも対面授業の醍醐味だなと感じました。

開講スケジュール

放送大学こちらのページに大まかなスケジュールが掲載されています。4月から翌年1月までおおむね月1回程度のペースで講義があります。基本的には千葉県の幕張にある放送大学本部へ赴くことになるため、遠方から参加する場合は交通費や宿泊費がそれなりにかかります。早めに宿泊施設を手配しておくことをおすすめします。東京・神奈川・千葉・埼玉あたりからであれば通うことも十分可能ですが、3日間連続して授業がある場合などは大学の近くに宿泊してしまうのも手だと思います。そうすれば、レポートを仕上げるための時間も確保できるでしょう。

宿泊施設について

かつては放送大学セミナーハウスという施設に安く宿泊することができましたが、2022年現在は利用できません。再開の目処も立っていないようなので、周辺のホテルなどを利用するしかありません。幸い、幕張メッセが近くにあるためホテルには困りません。ただ、放送大学から徒歩圏内で、かつ安く泊まれるホテルとなると意外と少ない印象でした。

アクセス

大学へはJR総武線幕張駅京成千葉線京成幕張駅、もしくはJR京葉線海浜幕張駅からいずれも徒歩20分ほどです。近くにはコンビニはもちろん、イトーヨーカドー幕張店やイオン海浜幕張店などもあり、食料の調達も容易です。

さいごに

将来的に心理専門職を目指すわけでなくとも、たとえどのような道に進むのだとしてもこの講義には価値がある、あるいは価値があるようにしたい、といったような先生方のお話もありました。私自身、この先どのような人生を歩んでいくにしても、この講義には大きな意味があったように感じています。

まだあと半年続きます。できるだけ多くのことを吸収していければと思います。