心理学実験1~3を受講しました

放送大学で「心理学実験1」「心理学実験2」「心理学実験3」の3つの面接授業を受けてきたので、その様子をお伝えしたいと思います。

受講する順序について

心理学実験の科目は全部で3種類あり、番号が振られています。しかし、その順番に受講する必要はありません。例えば「心理学実験2」→「心理学実験3」→「心理学実験1」など、好きな順番で受講することができます

私は偶然1→2→3と順番通り受講することになりましたが、特に気にする必要はないかと思います。

授業登録

まずは授業登録の段階での話です。学期の初めに送られてくる分厚い「面接授業時間割表」という冊子を見ながら選んでいきます。ウェブ上でも、システムWAKABAの「教務情報」→「シラバス参照」から見ることができます。

科目によって、あるいは先生によって、実験を3つ行う場合と4つ行う場合があります。実験が3つの科目のほうが、実験レポートの書き方についての説明などに時間を使ってくれることもあり、初めて受講する場合におすすめです。実験の数はシラバスで確認できます。

事前知識

事前知識はそこまで必要ありませんが、心理学系の放送授業をある程度履修しておくと、授業の理解が進みます。

特に「心理学概論」「心理学研究法」「心理学統計法」はとても役に立つと思います。

また、WordやExcelなどは使えたほうがいいでしょう。Excelについては、平均、分散、標準偏差などを出せること、グラフを描けることなどが必要です。一応、Wordではなくレポート用紙に手書きで、Excelではなくグラフ用紙に手書きで、というのも認められていましたが、とても大変だと思います。PCを使うことをおすすめします。

ただ、教室にノートPCを持ち込んでいる人はほとんどいませんでした。私は授業の最中にノートPCでメモを取ったり、休憩時間にデータ入力を済ませたりして、少しでもはやくレポートを仕上げられるようにと頑張っていました。何しろ時間がなかったので……(後述)。

なお、Officeソフト(Word、Excelなど)を持っていない方は、無料のGoogleドキュメントGoogleスプレッドシートを使うとよいでしょう。お金は一切かかりませんし、クラウド上に保存できるのでネット環境さえあればどこででも作業できます。ただしその場合は、Wi-Fiにつながらない状況やサーバー障害などの事態に備えて、必ずローカルにも保存しておきましょう。

当日の流れ

持ち物

シラバスに当日用意するものが書かれています。アイマスクやUSBメモリなど、やや特殊な物が指定されていることもあるので、よく確かめてください。筆記用具は書かれていなくても必須です。個人的にノートPCやタブレットも持っていくと便利だと思うのですが、実際のところ持参している人はあまりいませんでした。なお、教科書、参考書などは特に買う必要はありません。当日配られる資料だけで十分です。

到着時刻

開始時刻の20分前には着いているといいでしょう。面接授業自体が初めてだったり、初めて訪れる学習センターだったりする場合は、もっと早くてもいいと思います。早く行けば好きな席を選べるというメリットもあります。ただし、1限目の授業の場合、早すぎると学習センターが開いていないこともあるので、開所時刻も考慮してください。

教室の場所

どの教室を使うかは当日まで知らされません。入り口などに張り紙がしてあり、科目名の横に教室番号が書かれているので、それを見て教室を探してください。

単位について

心理学実験は、1コマでも欠席すると単位をもらえません。遅刻や早退も原則認められません。また、実験を行う性質上、休憩時間が前後します。お昼休みもシラバスの通りにならないことがあるので注意しましょう。

授業内容

まず最初に出席を取り、続いてその科目の大まかな説明があります。単位をもらうにはどうしたらいいかを教えてくれると思うので、特大フォントでメモしておきましょう(笑)。おそらく大抵は、全てのコマに出席し、後日レポートを実験の数だけ提出する、ということになると思います。レポートの期日も重要です。私が受講した時は授業の最終日から2週間後程度でした。

いきなり実験に入る前に、心理学実験に関する基本的な説明や、実験レポートの書き方についての指導がありました。書き方については先生によって多少違いがあったので、配布資料も含めてレポートを書く時の参考にしましょう。例えば、実験レポートの「目的(序論)」「方法」「結果」「考察」の4つは共通していましたが、先生によっては「引用文献」はなくてもよい、というケースや、必ず一つ以上「引用文献」に記すこと、などのケースがありました。見出しを中央寄せにする/左寄せにする、タイトルは自分で考える/そのまま使う、統計処理を行う/行わなくてもよい、など他にも先生による細かい違いがありました。守らなければ単位を与えない、という厳しい先生もいらっしゃったのでその時は気が気ではありませんでした。でも、さすがに書式のミスだけで本当に落とされることはないのかなとも思います。

また、提出方法も重要です。メールでPDFファイルを送信する、紙に印刷して学習センターに提出する、郵送するなどのうち、すべて認められている場合や、紙による提出のみ受け付けている場合など様々でした。

心理学実験とは

ようやく肝心の心理学実験に入ります。

心理学実験って一体何をするんだろう、と思われる方もいるかもしれません。歴史的にはミルグラムの実験(アイヒマン実験)やスタンフォードの監獄実験など、衝撃的な心理学実験が有名です。

しかし、放送大学の授業で扱う実験は、錯覚の実験記憶の実験など、いわばおとなしいものばかりです。いきなり電気ショックを与えられたり過去のトラウマを掘り起こされたりすることはないのでご安心ください(そんなことが倫理的に許されるはずがないことは「心理学研究法」でも学ぶ通りです)。ただ、おとなしい実験だからと言って楽なわけではありません。比較的単純なとある実験では、他の受講生とペアになって交替で実験者(研究者)と実験参加者(被験者)を担当するのですが、実験者として適切な指示を出したり正確に記録を取ったり、というのは決して簡単な作業ではありませんでした。

ペアになって実験者と実験参加者をやる→データをまとめて分析する、という流れは多くの実験で共通していました。ペアを作らない実験でも、自分が実験者になったつもりで参加する、という形になります。授業の目的は、実験者の立場を経験することと、データを分析することの2つに集約されると言っていいでしょう。それに加えて、後日実験レポートをまとめるという作業を合わせた3つが、「心理学実験」という科目で学ぶことです。

受講生について

ちなみに、受講生の年齢層は20代~70代と幅広く、どんな年齢であっても馴染める雰囲気でした。残念ながら今回はコロナ禍のために受講生同士の交流が難しい状況でしたが、通常であれば例えば昼食を一緒にとる、といったこともできたと思います。この点は面接授業ならではのメリットだと言えるでしょう。

PCを使った実験の注意点

一部、放送大学のパソコンを使用した実験があります。持ち物にUSBメモリが指定されている科目ではパソコンを使うと考えていいでしょう。これがなかなか大変で、とにかくPCの動作が重いのです。Windows10でCeleron搭載のPCで、Trend Micro社のウィルス対策ソフトが入っていました。まず立ち上がるまでに時間がかかり、さらに休み時間にPCを放置しておくとシステムスキャンを始めてしまうようです。いざ操作しようとしてもディスクへのアクセスが100%に張り付いたまま戻ってきてくれず、しばらくまともに使えませんでした。立ち上げが遅いのは仕方ないとして、休み時間の最中、定期的にマウスを動かしてアイドル状態にならないようにしておくといいかもしれません。

自分のPCを使わせてもらえたらどれほど楽だったことか。

実験レポート

授業が終わってから2週間程度で、実験の数だけ実験レポートを仕上げます。これがかなり大変です。

しかも、私は3週間の間に3科目を受講し、全部で10本の実験レポートを仕上げる羽目になりました。それというのも、倍率の高さを見越して3つ申請し「一つ当選すればいいかな」くらいに思っていたところ、不運にも幸運にも3つとも当選してしまったことが原因です。

抽選の不確定要素はありますが、できれば半年に1科目がちょうどいいと思います。複数受講する場合も、日程が2週間以上あいているといいでしょう。

おわりに

授業もレポートも大変でしたが、達成感もありとてもいい経験でした。

卒業のためには面接授業(またはオンライン授業)を20単位取る必要があるので、今回のような心理学系だけでなく、また違った分野の面接授業も取っていきたいと思います。